革にコーヒーこぼした!どうしよう! 出先での応急処置
もはや常習犯。革小物作る人に土下座で謝ろう。
一体何度やれば気が済むんだろう。
きれいに使う自信がなくて、革製品を持つ勇気が持てない……という方、ぜひこれを読んで肩の力を抜いてください。革とはこんなラフなお付き合いでも案外大丈夫です。
休日に待ち合わせの時間より早めに着いて、近くのお気に入りの店。
ちょっと早く来て、本読みながらゆっくりモーニンg……のはずでした。
二度あることは三度ある。
(→「コーヒーをこぼした革財布を救ったお話」)
入店5分にしてコーヒーを8割ほどぶちまけてしまいました。
今回の被害者はお店とブックカバーです。
モーニング目当てに人が外まで並んでいるというのに、床までびっしょり。
お店の方に謝って、片付け手伝っていただいて、なんとか落ち着いて……。
そうこうしているうちにASAPが基本の革の処置は遅れに遅れ、こんなに染みてきてしまいました。撮影している場合ではありません。
すでに輪染みになる予感がします(矢印の箇所)。
もし浴びたのがただの水だったとしても、しっかりと染みになりそうな気配です。
落ち着いて身の回りの使えるものを探そう
もはやモーニングどころではありません。
セルフコーナーにお水、使い捨ておしぼり、紙ナフキンがありました。
これで何とかします。
濡らして、浮かして、吸い取る
お水のコップに使い捨ておしぼりを浸して、思い切って大きめの範囲を濡らしていきます。写真の通り、かなりびしょびしょです。
とにかく濡らして、浮く分のコーヒーは浮かせる。入り込んでしまったものは仕方ありません。今できる最大限を考えましょう。
何より、ここでしっかりと濡らすことで先程のコーヒーの輪染みは防げます。
そして乾いた紙ナフキンで水分を吸い取ります。
これを2回繰り返しました。少しでも革の中のコーヒーを吸い取るのと、革の中にコーヒーが残るにしても薄めて拡散してしまう狙いがあります。
なんとしても輪染みだけは防ぐという鋼の意思が大切です。
ここでのポイントは、濡れた部分と乾いた部分のくっきりとした境目を作らないように気をつけることです。
塗り拡げて水でグラデーションを作りましょう。
徐々に、後から加えた水による染みをぼかしていきます。乾いている部分と濡れた部分の境目をしっかりと押して水分を吸い取りましょう。
ここを放置すると、コーヒーどころか水濡れだけでくっきりとした輪染みになってしまいます。
一連の処置はこんな流れです。
左はコーヒーの輪染みができかけたところ。
中央は水を含ませコーヒーの輪染みは消えたものの水の輪染み警報(特に下部分)。
右は濡れた場所は広がったものの、コーヒーの染みと輪染みを防ぎきった直後の姿です。このようにとことん境目をぼかすのがポイントです。
グラデーションの鬼になると良いと思います。
処置が終わったら乾かしましょう
スリーブに乾いた紙ナフキンを挟んで、内側からも湿気をとってあげます。
このまま持ち帰り、風通しの良いところで陰干しします。
以上で応急処置は終わり
これで、出先ですぐにできることは終わりです。上級者は丸洗いという手もありますが、革製品との気楽で楽しいお付き合いを提唱する本記事の役目ではないので、他の方へ譲りますね。
あとは完全に乾いた後に、クリームを塗ってあげます。
みなさんは何度も顔に水をかけられ、ペーパーでぐいぐいと何度も何度も何度も何度も拭かれたらどうでしょうか……。私なら肌の油分持っていかれてカサカサ、相当痛い思いをしていると思います。
革も動物の皮膚だったものですから、失われた油分を補ってあげる必要があります。
b3Laboのおすすめはコロンブスさんのコンディショニングクリームです。ゲルタイプなので、バームタイプよりも油分入れすぎの失敗が少ない優秀なケア剤です。
革製品は怖くない
もちろん濡らさないできれいなまま使いたい思いはありますが、
人間は完全ではありませんし、そんな人間が暮らしの中で使う道具ですから、身構えなくても大丈夫です。恐れずに使ってみましょう。
小さな製品から革小物に親しんでいただくのもいいかもしれません!
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