栃木レザーを使った革製品│b3 Laboオンラインショップ

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革バカにとって、革小物の傷やダメージも我が子のようにかわいいのですが、
できるならきれいに使っていきたいですよね。
お財布はそれほど頻繁に買い換えるアイテムではないし、
なんなら験を担いでちょっと奮発することもありますし、
大切に長く使うぞ! と考える方多いんじゃないでしょうか。
それでも事故は突然起こります。
(自分への戒めも込めて……)

ある朝、カバンの中で革財布がコーヒーを浴びていた

どうやら、水筒のフタの閉まりが甘かったようです。

幸いだったこと:カフェオレなので色が薄かった
不幸だったこと:ハチミツも入っていた

見た目にはそれほどでもない、と思われるかもしれませんが、触るとペタペタしています。
布ものなら即洗濯コースですが、これは革のお財布……

日常のお手入れの範疇を超えたケアが必要です。

革財布を救う作戦を立てる

今のやわらかでしなやかな風合いを大切にしたいなら、革の丸洗いは断固NGです。
求められるのは、水は極限まで少なめの処置……
というわけで、今回は患部のみを泡で洗うことにしました。

  1. 洗剤を泡立てて患部のみを洗う
  2. 湿らせた布で泡と汚れを拭き取る
  3. 洗剤で抜けたオイルを補う仕上げケア

今回、多くの方の参考になればいいな、という思いから以下の条件をつけました。

あえて、ちょっと時間を置きました

業務開始時間も迫っていたのでお昼休みに落ち着いて処置することにしました。

時間にして、コーヒーを浴びてから約4時間後。
これならなんとかリカバリできる範囲と判断しました。

なるべく、身の回りにあるものでできる処置にしました

事故は急に起こります。
夜にすぐに処置したくても、お店が開くのは明日だよ!
という状態も十分に考えられます。

なので、工房で用意しているしみ抜き剤・クリーニング剤を使わず、
家庭用洗剤でできるしみ抜きの方法で対処してみました。

1)家庭用洗剤で革の染み部分を洗う

いざ、しみ抜き開始です。

給湯室で、食器用洗剤とお水、そして掃除用のメラミンスポンジを失敬しました。

スポンジは泡立てられればOKですが、
使ってみたところとても細かい泡が作れました。
メラミンスポンジ、かなり良いのではないでしょうか。

そうして作った泡を、染みができてしまった場所に乗せていきます。

数分すると泡が消えていきますから、
そうしたら泡を足していきます。

今回の放置時間は、乾き気味のペタペタが落ちるところをイメージしながら約15分。
時々泡を足します。

2)湿らせた布で泡と汚れを拭き取る

それでは、洗濯でいうところの「すすぎ」の工程です。

まずは乾いた布で、上に残った泡を優しく拭いました。
浮き上がったであろう汚れが、革に再吸収されるのを防ぎます。

使っているのはハンカチ代わりの南天柄の手ぬぐいです。
革小物のケアには綿の布があると良いですね!
なにげない日常で乾拭きしてあげるときれいなツヤ革に育ちます。

次に手ぬぐいを少し水に濡らしてトントンと叩くように拭き取っていきます。
泡拭き取りに使っていない部分を使ってくださいね。

拭き取るというより、叩く、押し当てるほうがイメージが近いです。
残った洗剤成分と、汚れを吸い取っていきます。
ゴシゴシは厳禁です。

拭き上げ直後の様子がこちら。

湿らせて少しずつ叩いたおかげで、くっきりと濡れた輪染みにならずに済みました。
びしょびしょに濡らした布だと、革の染料に影響が出て、ひどい色ムラが発生してしまうことも……

(ちなみに、この写真を撮った時は、汚れを深追いしすぎてしまったかとヒヤヒヤしていました。)

ここから30分程乾かした姿がこちら↓です。

洗剤成分が入ったことで、革に含ませてあったオイルが抜けています。
少し白っぽくなり、このままだと乾燥気味になるサインが出ています。

3)洗剤で抜けたオイルを補う仕上げケア

油分を補うクリームを少量、布にとり
洗剤で洗った部分に入れていきます。

べったり塗るのではなく、トントンと少しずつ少しずつ乗せていくイメージです。

このあと1時間ほど置いて、全体に拭き上げていきます。

布に残っているクリームも、ついでなので全体に伸ばしながら乾拭きで仕上げます。

※この革(Tempesti社/エルバマット)はオイルがしっかり入った革なので、洗ってない部分には必須のケアではありません。
今回一部だけにクリーム入れたので、全体のバランス取りたいなーと思いました。

ついでに気になる小キズのケアもいたしましょう。

といっても、乾拭きの時に少しだけ重点的に拭いたり、指で撫でるだけです。
多少の傷ならこうしてかんたんにケアできるのがオイルレザーの良いところですね。

というわけで、主な処置は終了です!

すぐにでもお財布の中身を戻して使いたいところですが、ぐっと我慢です。
まだ革が湿っているので、そのまま半日ほどは風通しのよいところで陰干しにします。

湿らせた部分を中心に、形をととのえて干していきます。
ここで変な形に乾かしたら、キレイな姿には戻りませんから……

体験した事故の分、革と仲良くなれる

このお財布も、処置から一ヶ月半が経過しておりますが、
なんの問題も見た目の変化もなく使っております。
ちょっと日焼けが進み、少しだけツヤも増してきました!

人間がどんなに革財布をきれいに使いたいと思っても、
事故を確実に避ける方法は無いのですよね。

それなら、対処方法を知っていれば良いと思います!
事故を乗り越えることで、ますますお財布が自分だけの相棒になっていきます。

それでは、最後にお財布の紹介だけさせてください。
柔らかなイタリアンレザーをくるりと丸めたフォルムで、使い勝手ピカイチのかわいいやつです。
とにかく経年変化がいい!!と店舗スタッフも絶賛の革なんですよ。

エルバマット 三つ折りコンパクト財布

¥13,000+tax

https://b3labo.jp/?pid=155179052

それではまた、折に触れて革のお話などしていければと思います。
大変長い記事を読んでいただいてありがとうございました。
この記事がどなたかのお役に立てれば幸いです。