革キーケースで鍵をまとめる組ネジ、うっかり外れて大惨事になりがち。対策を試みました!
b3Laboの実店舗でずっとリピート生産している『スクエアキーケース』。
シンプルな直線のみで出来た革小物で、鍵を取り付けるのは上下の『組ネジ』です。
この『組ネジ』が外れてしまいネジも鍵もバラバラになる事故がたまにあります。
鍵が落ちた場合は音で気付いて改修するなど、なんとかなるパターンが多いのですが、組ネジは転がっていき『紛失した』『家具の下に入り込んでもう絶対に取れない』というエピソード多数……。
そこでb3Laboでは、事故防止に脚の長い組ネジを特別に国内で作ってもらっています。(金具屋さんありがとうございます!)
組み合わさる距離が長い分、抜けにくいはず!と胸を張っていました。
それでも、外れる時は外れる。
どんなに脚を長くしても、溝に沿って動く『ネジ』である以上、不安定に揺られ続けたら外れてしまいます。(逆に振動で締まっていく特殊なネジもあるそうです。)
しかし、不肖私もこれまで栃木レザーのスクエアキーケースを使用していて組ネジが外れたことは一度もなく、しかしその記録は途絶えました。
原因は以下3つが考えられそうです。
1)常に斜めに振動、無理な使い方
最有力は、最近頂いた手作りのがま口を同じストラップに取り付けたため、全体的にみごとに傾いてしまいました。こうして斜めに傾けて常に振動させたのもネジ的にはダメそうです。
また、がま口を取り付けたままでは鍵を使いにくく、全体的に(私の身体ごと)無理なひねりをかけながら鍵を使うことがよくありました。
この瞬間に派手に緩んでいてもおかしくありません。
2)ネジの確認回数が減った
キーケースの中身をスペアキー中心にしたため、ついでに手にとって無意識にネジ部分を確認する機会が減りました。
こういったなにげない日常的な『ついで確認』は案外大事ですね。
3)単純にキーが多い!
分厚いもの中心に鍵3本、さらにレバーナスカンを取り付け、さらに鍵の隙間に革のスペーサー(焦げ茶色の丸いパーツ)を詰め込んで、もうギリギリ。
よく今までネジ外れなかったな……と思いました。
逆に考えれば、しっかり安定させて垂直に吊るしたり、バッグのポケットに入れておく従来の使い方ならパンパンでも大丈夫だったのではと考えております。(※ エビデンスは私のみです)
※ スペーサーは鍵のカチャカチャ音を防ぐ試みです。
組ネジが外れてしまう問題の対策
b3Laboの店長たちの噂
ゆくゆくは『斜めにぶら下げない』『体ごとひねるような無理な解錠をしない』も実行していきます。 ですが以前、b3Labo各店の店長たちが集まった時に聞こえた会話を思い出しました。
「困ってるお客さんに頼まれたらネジ外れなくなるボンドを使う」
「うちの店もやってます!」
お買い上げになった商品の使い方は人によって様々。
『なくす人は何度でもなくす』と一部で噂される組ネジ。
全店ではありませんが、お客様が希望された場合は絶対に組ネジが緩まないガッチリと固めてしまうボンドを導入している店舗があるとのことでした。
https://www.yodobashi.com/product/100000001003302999/
でも、こういった接着剤を使うと本当にガッチリボンドされてしまい、一生外れません。
一応鍵をつけ外しできるようにしておきたい場合は、どうしたらいいでしょうか。
「木工用ボンドでも結構いける」
確かその時、「水糊もアリ」(※木工用ボンドの勘違いだったことが判明)と言っていた店長がいたな……と思い出し、実験してみることにしました。
木工用ボンドならご家庭にあったり、行動圏内で購入できたり、身近な範囲で借りられる可能性が上がります。
密閉に近い状態で乾燥するのか、するとしたらいつなのかは謎ですが、もしかすると丁度良い程々のボンド力(?)が得られるかもしれません。
このCOLUMNの大方の記事の目的は『革製品との気楽なお付き合いの例』ですから、これはぜひ試すべきと考えました。
実践
まず鍵を元通り入れていくのですが、外れた側だけに鍵を多く入れすぎてバランスがおかしいです。外れた側は鍵3本+αに対し、外れていない反対側は1本だけ。2本:2本と均等にすればOKのはずですが、反対側は家の鍵だけを入れており、ここは1本にしたいこだわりなので仕方ありません……。
革好きはたまにこういう面倒なところあるよね……と主語を拡大して自分を納得させながらの作業です。
ボンドの量はまずは少なめにしています。
すぐに乾燥するとは思えないので、しばらく置いてから最大の原因と思われるストラップへの斜め取り付け&同じ使い方をして、ネジが外れないかを試してみたいと思います。
張り切って試したもののすぐに結果が出ていなくて申し訳ありません。
結果をここに追記していきたいと思います。
すでに失くしてしまった方、逆にキーケースに興味が湧いてきた方へ
遅いよ! もう組ネジ失くしてしまったよ!
という方はこちらをご利用ください。
郵便でのお届けなので土日を挟む場合などお届けはゆっくりですが、組ネジもオンラインストアで販売しております。
また、スクエアキーケースに興味を持ってくださった方はこちらへどうぞ。
スクエアキーケースはその名の通り、広げるとほぼ正方形の革で出来ています。イタリーレザーPuebloと栃木レザーの2パターンございます。
どちらも『革をなるべくそのまま贅沢に楽しんでもらおう』という考えから、ボディ部分は一切漉きを入れない元の厚みの本革を使用。
(2023年4月現在、あらゆる材料が値上げされ、おそらくこのキーケースもコスト再計算したら目玉の飛び出る価格据え置きで販売しておりますので、お早めにどうぞ)
なお、今回の試みでお見せしたキーケースでは、栃木レザーのネイビーの経年変化が進行中です。
だんだんと青みが抜けて渋いグレーになりつつ、ツヤが出てきております。
モスグリーンと並んで一番変化する色なので、皆様の参考となるよう記録していく所存です。
それでは、また結果をお知らせに上がります。
読んでいただきありがとうございました。