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有名なだけに「経年変化が不安」「きれな経年変化って?」「ネットで写真見たけど汚いかも」と躊躇されてしまう率ナンバーワンのイタリーレザー、それがミネルバ・ボックス。 イタリアらしい鮮やかなカラーが、どんなふうに変化していくのか想像が難しいのも頷けます。

 そこで、経年変化の写真をお見せしながら、一般に言われていることに体験・体感をプラスして、経年変化(=エイジング)の説明をしていきます。

ミネルバ・ボックスの特性

 1000年以上の歴史を持つ植物タンニンだけの「バケッタ製法」で鞣された革です。牛の筋骨等のオイルをたっぷりと含ませて柔らかさを出し、シボ(シワ)を出すシュリンク加工が施されています。

 今回は経年変化に注目したコラムですから

  • 経年変化が起きる「タンニンレザー」であること
  • 良質のオイルがしっかりと入っていること(素晴らしいツヤにつながります)

が大切な要素になってきます。

タンニンレザーの経年変化とは

 革の世界にも産業革命が存在し、化学薬品を使って安く・早く・軽く・加工しやすく・水濡れにも強く・経年変化しない「クロム鞣し」が登場しました。 現在鞣される革の8割以上がクロムレザー、そんなメリットばかりの革が大多数を占めながらもタンニンレザーが残り続けているのは、クロムには無い経年変化に惹かれる人がいるためです。

 その主な経年変化は以下のようなものが上げられます。

  1. 自然な摩擦により徐々にツヤが出てくる
  2. 紫外線等の影響で色が深まる
  3. 手触りが馴染んだものになる
  4. 使用者の使いグセに合わせて革が形を変える

ひとつひとつ説明していきましょう。

革の経年変化(1)革表面のツヤ

例えば、女性なら革のお財布をバッグに入れたり、男性ならお尻のポケットに入れる日常の中で、革に少しずつ自然な圧力がかかり続けて、少しずつ薄くなってきます。水を含んだスポンジを少し押して、水が少量滲み出すところをイメージしてください。このスポンジが戻らず、じわじわと水を出しながら薄くなっていくのがオイルがしっかりと入ったレザーの経年変化のひとつのイメージです。

ミネルバ・ボックスに元々含まれているオイルが表面に出てくる
 ▼
日常使いの摩擦でツヤが出る
 ▼
またオイルが表面に出てくる
 ▼
日常使いの摩擦でツヤが出る……

ほとんどの場合、新たに油分を足すお手入れの必要もなく、どんどんツヤが出ていきます。

革の経年変化(2)色が深まる

これには2種類の変化が含まれます。

  1. カラーの褪色(染色された革の場合)
  2. 革そのものの日焼け

一つ目は、鮮やかに染め上げられた後入れの色素が色あせてしまうこと。
色の系統ごとに抜けやすい色、抜けにくい色があり、ブルー系や淡い色は特に光に弱い傾向があり、2つ目の要素と絡まることで複雑な経年変化を遂げます。(この途中経過を『汚い』と言う方もいらっしゃるようです)

2つ目は、タンニンレザーそのものがまるで人間の肌のように日焼けをしていく現象です。 ベージュ、ヌメ色と呼ばれるプレーンな色で特に、健康的な小麦色を経て、みたらしだんごのタレのような色に変化していきます。

つまり、『色が深まる』とは、1つ目の「後から入れた染料の変化」+2つ目の「革自身の日焼け」の2つを足した現象です。

ブルーグリーンはブルーグレーを経て濃いグレーに。
淡いピンク系も褪色し、仕上がりはキャメルやナチュラルベージュと似ます。
下のグレーは最初のクールな青みが抜け、「日焼け」が進むと渋い中間色の茶色を経て完全な茶色に。(下の2枚の画像右側です)

タンニンレザーは遅かれ早かれ大きな変化を遂げるものです。
望んでいた色と違って驚いた。
最終的な色がわからなくて不安。
そう感じる方の助けになれば幸いです。

イエロー系の色は2つ目の「日焼け」と似ているためあまり気にならない方が多いようです。
赤系・ブラウン系は比較的色が抜けにくく、2つ目の「日焼け」要素で色が深まり濃くなる変化のほうが目につくので、あまり色が変わっていくことを望まない方におすすめのカラーです。

革の経年変化(3)手触りが馴染む

ミネルバ・ボックスは革表面を収縮させて表情豊かなシボをつけてあります。そのため、革は固く締まったというよりは、最初は少しふわふわした仕上がりの革です。

使い込んでいくと革が薄く締まっていき、表面はより一層ツヤを帯びて、よく触っている部分からしっとりと手になじんでいきます。

革の経年変化(4)使いグセに合わせて変形

化学薬品で作られたクロムレザーには無くて、ミネルバ・ボックスをはじめとするタンニンレザーには有る特性に、「可塑性(かそせい)」があります。簡単に言えば形を変える能力のことです。

b3Laboの店舗の店長には、直方体のはずのヌメ革ラウンドファスナー財布をお尻のポケットに入れ続けて変形させた(b3Labo内で)有名なエピソードがあります。 そうして遺憾なく発揮された革の可塑性により、お財布は徐々にお尻のカーブに馴染んでいき、まるで鰹節のような形に変形するに至りました。
見る側は二度見、三度見ですが、使っている人には自分のお尻の形にぴったりと馴染む唯一無二のお財布になります。

この可塑性による変形が、当然柔らかいミネルバ・ボックスのお財布でも起こります。 中に入れたカードの凸凹が表に響いてきたり、お財布のカドが丸く潰れたり。 特にミネルバ・ボックスは凸凹の色が濃くなりツヤも出るため目立ちますが、b3Laboではこれも楽しい個性的な経年変化と考えています。

こういったミネルバ・ボックスの製品を検討中に経年変化の写真を目にして『革って汚い跡がつくんだ!』とびっくりしてしまった人が一定数いらっしゃるのではないでしょうか? いざ覚悟を決めて使ってみるとこういった変化も楽しいものです。

また、極力きれいに使う方法もあるのでまた記事にまとめたいと思います。

革の経年変化 まとめ

革小物はファッション小物ですが、古くから使われてきた道具でもあります。どこまでが『革好きの文化』で、どこからが『汚い』なのかの明確な線引きは難しいです。「修理できなくなるまで、とことんボロボロになるまで使う!」と10年以上使われる方も多いので、最初にそういう写真を見ると驚いてしまうのも頷けます。 それは「成人して初めて飲んだお酒がテキーラ」位のミスマッチかもしれません。
ファッション小物としてきれいに使いたい方も、きっと大丈夫です。

b3Laboにまでミネルバ・ボックスの経年変化を調べに来られている方は、慎重に調べていると思いますので、なるべくきれいな経年変化を遂げるためのTIPSをお伝えしていきたいと思います。

もしも店舗が近くにある方は現物を見にいらしてくださいね。

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