革のエイジングに見る性差

こんにちは。
b3Labo 工房の中の人です。
わたくしこれまで国産ヌメ中心で革製品を使って来ましたが、
ここしばらくはイタリーレザーのエイジングのスピードに注目していました。
- 色が深くなったり
- いい具合に日焼けしてきたり
- 全体にツヤが出てきたり
エイジングとは革の醍醐味と言えます。
特にイタリーレザーはエイジングが早いということで、
とにかく早く次々といい色に育てたいという欲が生まれていました。
イタリーレザーとは? イタリア・トスカーナ州の伝統的なバケッタ製法で作られたタンニン革を指すことが多く、オイルをたっぷり含んだやわらかめの革が代表的です。(b3Laboがよく使うのは「ミネルバボックス」「プエブロ」) ただし、お手入れは乾拭きやブラッシング、そして形を整えるのみ。 |

若干お尻のポケットの形になったツヤツヤのミネルバボックス・ショートウォレット。
ミネルバボックスは言わずと知れたイタリーレザーの雄。
「最初の色とずいぶん違う!」と驚かれるかもしれません。これこそが伝統的なタンニンレザーの証です。
すばらしい最高潮な仕上がり具合にテンションが上がります。
ところが……
私のキーケース、なかなかツヤが出ません。
聞いていた話と違います。

イタリーレザー【Pueblo(プエブロ)】を使ったキーケース。店頭ではすべての色が揃っている状態が珍しい、人気商品です。
負けてなるものかと、毎日行き帰りの電車でににぎにぎするうち、やっとうっすらとツヤが出てきました。
それに引き換え、b3Laboのお店にある経年変化見本はこちら。

色違いですが、隅々までツヤツヤに輝いているのがわかります。
やっぱり聞いていた話と違う。
原因は何か?
工房に入りたての頃、
「Puebloはあっという間にツヤツヤのいい色になりますよ」
そう言って使い込んだ私物Puebloキーケースを見せてくれたのは b3Labo 上野パルコヤ店スタッフSさんでした。
脳裏をよぎるのはその時見せてもらったツヤッツヤのキーケース。
その疑問に答えてくれたのは b3Labo 錦糸町店スタッフSさん(異動した同一人物)でした。
「男はジーンズのポケットで磨きますから」
店員Sさんの話をまとめると
- 男性はパンツのポケットに入れっぱなしの人も多い
- キーケースどころか長財布もお尻のポケットにIN
- 外出中、ポケットの中で常に乾拭き磨きしているようなもの
- それに対して女性の革小物は鞄の中で守られておりエイジングが遅い
……なるほどですね。
たしかに男性の体型ならお尻のポケットに長財布を入れても邪魔にならないかもしれません。しかも後ろポケットだけでなく、前ポケットにも入れるのだそうです。
前ポケットなんて、女性だとちょうど股関節の曲がるところ!無理無理の無理です。
ところが、男性のローライズスタイルなら腿上に安定したポジションが取れるのだそう。
「ジーパンによっては長財布も入りますよ」(Sさん)
……(スペースキャット顔)→スペースキャットとはこちら
「男性はジーンズのポケットで常に革を磨いている」
……………………なるほどですね。
【追記】女性スタッフ使用サンプル
女性職人が1年使ったものがこちら。美しいです。
特別なお手入れはせず、普通に鞄の中に入れて毎日使っていただけだそう。
どうでしょう、この透明感あるツヤ。
有名ブランドではなく、小さなブランドだから「ごまかさずに本当に良い革を選んで作る」ことが可能になっています。
